2024.06/19

てんかんと迷走神経刺激②

前回に引き続き、てんかんと迷走神経刺激(VNS)についてご紹介します。

前回ご紹介した通り、迷走神経刺激法(VNS)は、てんかんの治療法の一つです。

これは、体内に埋め込んだ電極で迷走神経を刺激する治療法です。


VNSの効果

VNSの治療の効果は中程度で、治療を始めて3か月後には約30%の患者で発作が半減します。

この割合は18か月後には約50%に増えます。


VNSの副作用

副作用としては、刺激装置が動いたときに顔や首の不快感、咳、運動時の息切れなどがあります。

それらの副作用は予測可能と言われており、刺激の強さに関連しています。

治療に反応する患者は、自分に合った刺激レベルを見つけることができます。

自分に合った刺激レベルであれば、時間と共に減少する傾向があるといわれています。

その他、長年の研究からは特異な副作用などは報告されておらず、

抗てんかん薬との相互作用もないとしています。

経皮的耳介迷走神経刺激療法(taVNS)


経皮的耳介迷走神経刺激療法(taVNS)の研究

経皮的耳介迷走神経刺激療法(taVNS)は、

迷走神経が耳介に分布している領域を直接、電気刺激する治療方法です。

これは、VNSと違い、体内にデバイスを埋め込む必要が無い為、さらに安全性と忍容性が高い治療法です。


近年はてんかんのほかにも、

うつ病、頭痛、不眠症、耳鳴、脳卒中後のリハビリなどに対する臨床試験も行われています。

より安全性と忍容性の高い治療法として、世界中で研究されています。

経皮的耳介迷走神経刺激については、こちらのリンクからでも詳細を確認できます。

ぜひ、読んでみてください。