2024.09/27
日本小児呼吸器学会
日本小児呼吸器学会に参加発表してきました。
正しい呼吸法とは
という演題で 参加者の皆さんとても熱心に聴いていただき感心も高く
さらに睡眠学会の参加もお誘いいただきました
現場で実践の話しが皆様の参考になったようです
抄録です
正しい「呼吸法」とは
近年世界的感染症流行により成人から幼児まで 呼吸のし辛さを訴える人が急激に増加しており、その改善には治療という観点からだけではなく正しい「呼吸法」の習得も呼吸を楽にしやすくする、また呼吸は自律神経と深く関わっており、自律神経がつかさどる器官の中で人間の意志でコントロール出来る唯一の動きであり、能動的なアプローチ正しい「呼吸法」によって自律神経の賦活もすることが出来 特に小児の段階で自然に習得することが出来れば、将来成人した後より健康的な人生が歩めるにもかかわらず、系統立てて科学的な見地から指導されてないのが現状である。呼吸によって自立神経を整え 小児が健康的な生活を送れるよう抵抗力を高めたり 各種運動能力や感情コントロール力を高めるのに有効である事を様々な指導実績から確立し多くの小児に普及させる事が必要である。
正しい「呼吸法」をするためには、正しい筋肉の状態を作る事が重要である。
つまり正しい筋肉の状態を作っておかないと、呼吸法の動きをする時に
指導通りの効果的な動きが出来ない事になる。正しい「呼吸法」には呼吸筋群のトレーニングも含まれている。先ず準備運動として、胸鎖乳突筋の動きの改善を行う。鎖骨上部内側の部分を片手で円を描くように皮膚と一緒に30秒程前回し後ろ回しで動かす。その後今度は耳の後ろの乳突の周りを先ほどと同じように、前回し後ろ回しで動かす。この二つの動きは幼児の場合は成人がサポートするのが望ましい。次に胸鎖関節の部分に片手で優しく殴打をする。振動刺激により鎖骨周辺の筋肉を緩めるのが目的である。小児の場合はゴリラのまね等と言って指導者の動きをまねさせること。そして肩甲骨の動き耳介部の刺激の後4カウント鼻から吸って8カウント口から吐くリズムを指導し特に吐く方を意識させ吐くときにお腹をへこませるように促すこと。これは腹式呼吸の練習にもなる。この方法が上手く理解できない幼児の場合は、声を出して遊ぼうと促し、あいうえおを順番に一語ずつ指導者のまねをさせて大きな声で出来るだけ長く声を出させる。この遊びによって前述の呼吸と同じ呼吸の練習になる。この正しい「呼吸法」を保育園、自発施設、ジュニアアスリート プロアスリート高齢者に実施したところ、1回から呼吸がしやすくなった、園児が安定したとの結果が多数報告され、2週間以上の継続的実施では集中力の改善やすっきりしない体調の改善部活動や競技の成績アップが見られた。
正しい「呼吸法」を継続して行うことは、自律神経の賦活により人間のソフトウェアを向上させることに非常に有効であることが示唆された。
「呼吸法」という簡単で即実践可能なものが、体力の向上精神の安定免疫力の改善が得られ、年齢を問わず誰でも出来ることが最大のメリットと考えられた