2024.09/20
迷走神経刺激と認知症①
認知症と自律神経
世界的な人口の高齢化により、認知障害に関連する疾患は重要性が高まっています。
一般的に、認知症はアルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症、
パーキンソン病性認知症の4つが挙げられます。
LMアランは、これらの認知症と自律神経の関係を調べました。
そして、これらの認知症患者には自律神経機能に障害があることを示しました。
特に、レビー小体型とパーキンソン病には、重度の機能障害があったとされています。
つまり、交感神経と副交感神経のバランスの変化は、認知能力に影響を与えていることを示唆しています。
https://jnnp.bmj.com/content/78/7/671
迷走神経刺激と認知症
さて、以前の記事でもご紹介しましたが、迷走神経刺激(VNS)という治療法があります。
これは、体内にデバイスを埋め込んで電気で神経を刺激する迷走神経刺激療法です。
アルツハイマー病やうつ病において、侵襲的迷走神経刺激(iVNS)は改善効果があるとされます。
それと同様に、認知障害の改善効果も期待されております。
経皮的な迷走神経刺激と認知能力改善
しかし、体内にデバイスを直接埋め込むことに抵抗がある人や、
身体への負担を考えて、iVNSは躊躇されることも多くあります。
そこで、身体の外から迷走神経に刺激を与える方法である、
経皮的迷走神経刺激(tVNS)が副作用が少なく忍容性が高いことが示唆されていました。
近年は、tVNSがiVNSと同様の認知機能の改善の効果が認められております。
次回は、経皮的迷走神経によってどのような認知機能改善効果があったかをご紹介します。
お楽しみに!