2024.09/23
迷走神経刺激と認知症②
迷走神経刺激療法と認知能力
以前の記事に続いて、迷走神経刺激による認知障害の改善についてご紹介します。
体内にデバイスを埋め込んで電気で神経を刺激する、迷走神経刺激(VNS)という治療法があります。
アルツハイマー病やうつ病において、VNSは認知障害の改善効果があるとされます。
経皮的迷走神経刺激と認知改善効果
しかし、身体への負担を考えて、VNSは躊躇されることも多くあります。
そこで、身体の外から刺激を与える方法である、
経皮的迷走神経刺激(tVNS)が副作用が少なく忍容性が高いことが示唆されていました。
そこで、経皮的迷走神経刺激と認知能力についての実験を紹介します。
経皮的迷走神経刺激と認知能力の実験
実験は、18~75歳が対象になり、経皮的耳介迷走神経刺激(taVNS)を2週間行いました。
実験は4 つのグループに分けて行いました。
早期グループのtaVNS/疑似taVNS ・後期グループのtaVNS/疑似 taVNS でわかれて、
言語記憶に及ぼす影響を調査しました。
すると、アクティブなtaVNSを受けたグループは、早期後期どちらスコアが向上しました。
疑似taVNSのグループには、それらの向上は見られませんでした。
さらに、早期のアクティブ taVNS では、追跡調査でも改善状況が持続していました。
つまり、実験によりtaVNS が記憶能力を改善する可能性があり、
老化による認知能力低下を軽減する可能性があることを示唆されました。
実験の詳細は、以下から全文お読みいただけます。
https://link.springer.com/article/10.1007/s10286-024-01053-0