2024.09/17
迷走神経刺激の炎症性腸疾患への効果
炎症性腸疾患とは、潰瘍性大腸炎・クローン病などの、
腸の粘膜に炎症を引き起こす病気の総称です。
はっきりとした原因は解明されておらず、
遺伝や免疫機能の異常、食生活などによって引き起こされていると推察されます。
迷走神経刺激は、これらの炎症性腸疾患についても
有効であることが研究によりわかっています。
今回は炎症性腸疾患について解説しながら、
迷走神経刺激の効果についてもご紹介します!
炎症性腸疾患の症状
上述した通り、炎症性腸疾患とは腸の粘膜に炎症を引き起こす病気です。
潰瘍性大腸炎とクローン病のどちらも共通して、
下痢・下血やそれにともなう腹痛の症状があります。
また、腸内に炎症が発生することで腸内環境が乱れることから、
口内炎やニキビなどの症状が現れる場合もあります。
さらに、重症となると、発熱や倦怠感などの症状から日常生活に支障をきたし、
下痢による体重減少の他、栄養失調・脱水症状などの問題も発生します。
そして、重症状態が続き炎症が繰り返されると、がんの発生率が向上し、
最終的には大腸の摘出が必要となるケースもあります。
迷走神経刺激の効果
迷走神経刺激には炎症を抑制する効果があることが研究によって立証されています。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/joim.12611
迷走神経を刺激することで、腸の免疫機能を抑制する効果があるとされ、
さらに大きな副作用もないことから、海外では特に注目を集めています。
炎症性腸疾患は難病指定されており、完治することがない病気とされています。
しかし、症状を緩和させ寛解状態を維持することは難しくありません。
迷走神経刺激は、薬物による副作用をもたらさずに
寛解状態をもたらすことのできる非常に興味深い治療法となっています。