2024.07/16

てんかんと迷走神経刺激③

以前、てんかんと迷走神経刺激についての記事を紹介しました。

今回は、てんかんとその療法について気をつけないといけない例をご紹介しようと思います。

てんかんと閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSA)

睡眠のときに、呼吸がなくなる無呼吸症候群は有名です。

実は、てんかんと閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、お互いに症状を悪化させることがわかっています。

前回もご紹介しておりますが、てんかんには、体内にデバイスを埋め込んで迷走神経を刺激する治療法(VNS)があります。

VNSは安全性と忍容性が高く、副作用はほとんどないとされています。

VNSと無呼吸症候群 (OSA)の影響


VNSと無呼吸症候群 (OSA)の影響

ただし、VNSが睡眠中の呼吸を減少させて、

VNSの活性時に無呼吸および低呼吸は頻繁に発生することがわかっています。

つまり、VNSが無呼吸症候群(OSA)の症状を悪化させるケースがあるということです。

さらにVNSは、OSA患者に効果的なCPAP療法を妨げる場合もあります。


VNS療法を受ける前に

VNSは薬物療法が困難なてんかん患者に対しては効果的ですが、

OSA患者においては症状を悪化させ、治療を妨げる可能性があります。

なので、VNS治療を受ける前には適切な治療計画を立てることが重要です。


難治てんかん患者におけるOSAのCPAP滴定に対するVNSの効果については、

こちらのリンクで詳しく解説されています。

是非ご参照下さい!