2024.03/26
迷走神経とフェムテック(5)〜不妊〜
ヒューマンテクノの川人紫です。これまで迷走神経と女性の健康について述べてまいりましたが今回は
迷走神経と不妊の関係についてご紹介したいと思います。
こちらは医療機器の輸入販売メーカーであるセリスタ株式会社から情報をいただきました。
〜ストレスに関与する不妊は耳介迷走神経することにより効果が期待できる〜
今回の文献は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を対象にした研究です。
PCOSは、出産適齢期の女性によくみられる内分泌疾患です。
近年、交感神経亢進と副交感神経活動低下(迷走神経緊張)を伴う自律神経系(ANS)のアンバランスがPCOS
の病因として注目されています。
本研究ではPCOSの発症におけるANSの役割を紹介し、肥満、インスリン抵抗性、2型糖尿病、炎症、マイクロバイオーム調節異常、心血管疾患、うつ病など、PCOS患者にもよく見られる様々な症状の治療におけるVNS/ta-VNSの良好な効果を支持する多くの実験的および臨床的報告を行なっています。
非侵襲的な経皮的耳介迷走神経刺激(ta-VNS)に基づく副交感神経調節を標的としたPCOS及び関連する併存疾患の治療のための革新的な治療法の可能性について言及しています。
参考文献:Transcutaneous auricular vagus nerve stimulation as a potential novel treatment for polycystic ovary syndrome/ Scientific Reports(nature.com)