2024.07/25
迷走神経刺激とリハビリ②
前回の記事で、脳卒中患者のリハビリテーションと迷走神経刺激についてご紹介しました。
今回も迷走神経刺激によってリハビリテーションにどう影響するのかご紹介します。
迷走神経刺激(VNS)による脳の可塑性向上
体内にデバイスを埋め込んで電気インパルスで迷走神経を刺激する療法をVNSと言います。
VNSで動物実験を行ったところ、脳の神経新生や血管新生を促進して、
脳の可塑性を高めると言う結果が出ました。
脳の可塑性とは、死んでしまった脳細胞の機能を、リハビリすることによって
他の脳細胞でその機能を補うものです。
下記HPに詳しく説明されているので、是非ご参照下さい。
この実験に基づいて、脳卒中の患者に埋め込み型VNSの臨床応用が試みられたところ、
運動機能の回復が向上することが確認されました。
脳卒中のリハビリテーションにおける新しい治療コンセプトの1つとして,
脳の可塑性を高めることは注目されています。
脳の可塑性が高められることで、リハビリの効果が高まるというものです。
VNSは、その効果を期待されている療法です。
非侵襲性の迷走神経刺激の研究
しかし、前回の記事でも紹介した通り、
体内にデバイスを埋め込むことは、手術のリスクもあり抵抗があります。
また、体内に埋め込んでしまうと臨床応用が利かないというデメリットもあります。
そこで、非侵襲性の迷走神経刺激の臨床応用も行われました。
既に、経皮的な迷走神経刺激と上肢の機能訓練を併用させることで、
脳卒中後の上肢麻痺のリハビリに効果があることがわかっています。
経皮的VNSは、脳の可塑性を高めるとされ、さらに研究が進められています。
リハビリと経皮的迷走神経刺激については、こちらのリンクからでも詳細を確認できます。
ぜひ、読んでみてください。